皆様こんにちは。
本日は、あまり知られていない「前頭側頭型認知症」(以下FTD)についてお話しさせて頂きます。
①徐々に記憶することが難しくなるアルツハイマー型認知症
②幻覚や歩行障害など身体的な症状が目立つレビー小体型認知症
上記は比較的ご存じの方が多く、ご家族やご本人も、もの忘れ外来を受診される傾向があるのですが…
本日お話しするFTDに関しては、あまり知られていません。
初期に記憶が比較的保たれるため認知症だと疑われる事が少なく、受診に至りにくいという傾向があります。
FTDとは・・・
脳の中の前頭葉と側頭葉といわれる場所が障害されることで発症する認知症をさします。
主な症状は
・性格の変化
・社会性の欠如
・同じことを繰り返す(常同行動)
・時刻表的な生活(例:他の活動をしていても12時になったらご飯を食べる)
など。
発症年齢が比較的若く、初期のうちはもの忘れも目立たないため、認知症以外の別の精神疾患と診断されてしまうことも少なく無いのが実情です。
FTDのタイプ
FTDには、上記のように行動面が目立つタイプ(行動異常型前頭側頭型認知症(bvFTD))の他に
・意味性認知症(SD)
例)「鉛筆ってなんだっけ?」「犬?なにそれ?知らない」等
・非流暢性進行性失語(PNFA):
例)意味理解は保たれるが、「えーっと、うーんと…あれです」など言葉がうまく出ずにたどたどしくなってしまう
と言った、言葉の問題が前景に現れてくるタイプの認知症もあります。
FTDは残念ながら現在認可されている、抗認知症薬に対するエビデンスが確立されておらず、対処療法やリハビリでの対応が中心となりますが、難病指定されている為、制度面で優遇される事も多くあります。
当院ではFTDに対する、コミュニケーションの問題についてもご相談いただけます。リハビリにも対応しておりますので、お気軽にお声がけくださいね︎。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。