こんにちは。
今日は、アルツハイマー型認知症を例に、重症度にそって、介護負担の観点から心得ておきたいポイントについて整理したいと思います。
ご存知の通り、認知症においては、身体的なお手伝いが必要になる前に、記憶障害や、人によっては妄想・易怒性・徘徊などの行動心理症状(以下、BPSD)への対応など、介護者にとっても認知面での声掛けや対応等、精神的負担を抱えやすい時期があります。
① MCI~初期
短期記憶の低下、作業遂行能力の低下等の症状により、服薬管理、段取りの多い料理、イレギュラーな対応などが難しくなる一方、言語や思考力は概ね保たれます。
ご本人は、心当たりのない出来事にナーバスになりやすい状態であり、介護者の否定的な関わりがご本人の琴線に触れやすく、もの取られ妄想や不安などのBPSDをもたらす事も多くあります。
状況に対して出来るだけ冷静かつ具体的に対応することが、負担感軽減に繋がります。生活の中で記憶力の低下が影響することについては、お薬カレンダー、リマインドツール、物探しグッズなど、記憶をサポートするツールを導入します。散歩や今出来ている家事などは奪わず、続けて頂く事も大切ですね。
② 中期
短期記憶の更なる低下、言語能力の低下、道具の使い方の混乱などにより、ご自宅での行動に声掛けを要し、屋外で道迷いや徘徊の様な外歩きが見られる事もあります。
初期に比べ、ご本人は大らかになる一方、介護者は常に気を張り精神的な介護負担を強く感じやすい時期。優先順位をつけた環境作りに注力しましょう。
例えば‥
✅GPSや位置確認ツールで行方不明を防止
✅デイサービスで活動量を保持と健康チェック
等、命や健康に関わることからケアの大枠を決めていくのも良いでしょう。
ご本人が過去に拒否されたデイサービスなども、この時期には楽しめる場合が多いので、柔軟に介護保険を使いながら、サポートする側も「気が休まる時間」を作り、気力を保持しましょう。
③ 後期
認知機能の低下よりも身体機能の変化が前面に出て、徐々に低活動傾向となります。
移動、排せつ、入浴など、ADLにおける見守りや介助が必要になる一方で、妄想、徘徊等は減っていきます。
介護者にとっては、精神的なものより、身体的な負担が増えていくこの時期。特に在宅介護では、訪問・通所・宿泊サービスを組み合わせ、身体的な介護負担を分散することを考えましょう。 ご本人・ご家族の生活リズムを作り、体力的にバーンアウトしない事が大切です。
ご本人とのコミュニケーションでは、表情、触れ合いなどの非言語的なやりとりを大切にしたり、「ありがとう」「楽しかったね」といった共感的な言葉を増やしていくことも良いでしょう。
勿論、その方により進行の速度や症状は異なりますので、全員に当てはまる事ではありませんが、その時々で見られやすい特徴を知ることは冷静に対処することに繋がります。
終わりに。どの時期にも共通して心に置いておきたいのは、
✅今起きている事は誰のせいでもなく病気の影響であること
✅完璧な介護を目指そうとしないこと です。
専門職(社会)の力を借りるのは当たり前の時代。
共に考えてくれる人と繋がりながら、ご本人・ご家族にとってより良い暮らしを続けていきましょう。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。