認知症ケア専門士によるコラム

漫画でみる「もの忘れの質的違い」

作成者: 前田順子先生|May 5, 2026 12:00:00 AM

 

※この4コマ漫画は、執筆者がチャットGPTで作成されたものです。

 

こんにちは。

早速ですが‥ 冒頭にご紹介した2つの4コマ漫画。 どちらが「認知症」の人のお話でしょうか

 

答えは『2つ目』です。

 

もの忘れが無い人はいません。

私たちは日々様々な情報を取捨選択し、脳の中に取り込んだり、必要のない情報を排除したりしています。忘れる事は、脳のひとつの機能ともいえます。ですので、もの忘れについても、1つ目の漫画の様なことは一般的にも見られることですが、認知症になると「忘れ方の質」が異なってきます。

 

今日は、「年齢によるもの忘れと、認知症によるもの忘れの違い」について、アルツハイマー型認知症を例に、特徴と対応を解説します。

 

【年齢によるもの忘れ】

・体験の「一部」を忘れる(例:買ったものの一部が思い出せない)

・ヒントで思い出せる

・出来事そのものは覚えている

・日常生活への支障は少ない

 

【認知症】

・体験そのものを忘れる(例:買い物に行ったこと自体を忘れる)

・ヒントが効きにくい

・徐々に悪化し生活機能に支障が出る

 

 

また、もの忘れに対するご本人の認識も異なります。

【年齢による場合】

・自覚があることが多い

・失敗を工夫で補おうとする

 

【認知症】

・自覚しにくい

・漠然とした違和感はあっても、周囲との認識にズレが生じやすい

 

認知症のある方が、もの忘れを自覚しにくいのは、忘れたことを覚えておくことが難しかったり、緩徐に進行する為微細な変化に気づきにくいため。また、自己モニタリング機能の低下等、複数の要因が関連しているといわれています。

 

次に、対応についてまとめます。

【年齢によるもの忘れ】

・手帳、カレンダー、タイマー等ツールの活用

・脳を賦活する習慣の再構築(運動・社会参加等を見直す)

 

【認知症】

・受診による抗認知症薬の検討

・その方の暮らしに合わせたリマインドツールの導入、生活動線の単純化

・リスクのある管理の部分代行(服薬・金銭管理の等 介護保険サービスも含む)

 

 

認知症は、脳の神経細胞が変性・脱落し、記憶に関する神経回路が障害されておきているため、一般的な感覚で指摘をして、「努力で改善出来る!!」と考えるのは、その本質から外れています。ご家族としては、ご本人に期待したい思いもあるとは思いますが、変えようと叱咤激励することは、ストレスや不安から、関係性の悪化やBPSD(行動・心理症状)に繋がることもあり要注意!

『安心して暮らせる環境作り』という視点に切り替える必要があります。

 

終わりに。リマインドツールについては、認知症になってからではなくその前から導入し使い方を定着させておくことで、認知症になったとしても、より長く使いこなすことが出来ます。

「覚えられるから大丈夫」

「リマインドツールに頼っているようではだめ」

という方もいらっしゃいますが、現代社会における情報量は、昔に比べてはるかに増えています。早いうちから「記憶を記録する習慣」を持ちましょう!

 

 

 


■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。