こんにちは。 今日は 軽度認知障害(MCI) について説明します。
MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害) とは、 健常者と認知症の中間に位置するグレーゾーン のことを指します。 認知機能の低下が疑われるものの、日常生活に大きな支障がない状態 です。
MCIにはいくつかのタイプがあり、例えば アルツハイマー型認知症 や レビー小体型認知症 など、 進行性の認知症の前段階であるMCI の方もいれば、 それら以外の原因による一時的な認知機能低下の場合もあります。特に高齢者の場合は、一時的な体調不良や環境変化でMCIの状態をきたす場合もあります。
MCIから認知症への移行率
MCIの方が 認知症へ移行する割合は年間約5~15%程度 とされています。 一方で、正常に戻る割合は 14〜44% といわれています。どちらに展開するかはその背景にあるご病気にもよりますので、誤診を避ける為にも、MCIの診断を受けた後は、定期的に医療機関で経過を確認する事が重要になります。
次にMCIの時期をどのように過ごせばよいのかについて以下にお話しします。
趣味の継続(今ある社会的接点を手放さず参加を継続しましょう。)
共感的コミュニケーション(安心して話が出来る対話相手を持ちましょう。)
家事の継続(日常におけるルーティーンを辞めずに続けましょう。)
健康管理(糖尿病、アルコール多飲、難聴等、認知症のリスク要因で、改善可能なものの治療を行いましょう。)
便利グッズの活用(物探しグッズや、予定のリマインドコール等を活用し安心感をもって活動量を維持しましょう。)
栄養・水分摂取(バランスの取れた食事を心掛けましょう。)
過度のストレスやうつ状態
過度の飲酒
引っ越しや入院などの環境変化
持病や、痛みの放置(腰・膝・歯など)
ご本人が継続的にみてもらえる医療機関とつながる(MCI以降、2回目の認知機能の経過が重要です。)
便利グッズの導入(カレンダー、メモ、物探しキーホルダー等、記憶補助ツールを提供しご本人に安心感を提供しましょう。)
できるだけ穏やかに接する(ストレスを軽減することが大切です。)
意見や感想を尋ねる(ご本人の意見を尋ねる事で感情を介した記憶を強化するようにしましょう。
物忘れを強く指摘する(ご本人の不安をあおり、活動縮小の懸念があります。)
クイズ形式で記憶を確認する(ご本人にプレッシャーを与えたり、試されているという気持ちが、ご家族への不信感に繋がる事があります。)
無理に思い出してもらう(誤った記憶が定着する可能性があります。)
過介助(本人の自立を妨げることがあります。
参考になれば幸いです。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。