DEMENTIA・MCI

認知症を早期発見する

早期発見の重要性

 認知症になるとどのようなことが起こるのか

脳内の変化は発症前から始まっている

早期判断、早期治療が必要な理由は脳内の変化にある。 脳内の変化は発症前から始まっている 認知症の原因となる病気として一番多いアルツハイマー型認知症は、アミロイドベータというタンパク質が脳に蓄積したことが引き金となると言われています。アミロイドベータは誰の脳でもつくられるもので、このアミロイドベータの蓄積が、神経細胞を死滅させる認知症の原因と考えられているタウというタンパク質の蓄積を引き起こすと考えられています。脳内にアミロイドベータが蓄積し始めてからタウが蓄積し始めるまで、10〜20年かかると言われています。要するにアルツハイマー型認知症が発症する10〜20年前から脳内では変化が起きているのです。この認知症が発症する前の段階で発見できれば、認知症の発症を遅らせることができるため、早期発見、早期治療が必要なのです。

 なぜ早期発見が重要なのか

MCIから始める「認知症ケア」

MCIの段階で運動等、適切なケアにより、回復することもある。
MCIと診断されても、後日の評価で知的に正常と判断されることをリバージョン(回復率)といい、そのような個人をリバーターと言う。従来の報告ではリバート率は14%~44%とかなり多い。

MCI(軽度認知障害)になる前から適切なケアを行うことで、正常な状態への回復が見込めたり、認知症の発症を遅らせることもできます。

脳内の変化は発症前から始まっている

 早期発見のメリット

• 早期より治療を開始することで、症状が軽減したり完治する病気がある
• 早期より薬を服用することにより効果が高まる
• 早期発見・早期治療により、治療の見通しがつき適切なケアができる
• 早期の対応で適切な治療や今後の対策を立てやすい

 認知症を早期発見するために

MCI(軽度認知障害)の早期の段階で発見・治療を開始し適切な対応を行うためには、少しでも「最近忘れっぽくなった」と感じたら早めに医療機関に受診することが大切です。「もしかして…」と感じてようやく医療機関を受診したら、認知症が発症してから数年経過し症状がかなり進行している場合もあります。初期の段階から医療機関を受診し、経過を観察することにより、早く適確な治療を開始することが可能です。また、治療やケアの選択肢が広がり、本人の意思で治療法や現在の生活を見直したり、家族とともに今後の過ごし方を考えることもできます。

認知症かも?と思ったら

 認知症発見から治療までの流れ

1. MCIの段階で検査を行いスクリーニング(ふるい分け)する

認知症患者の多くが、中度認知症レベルにまで病気が進行してから「認知症」と診断されています。MCIの段階で適確な検査を行い、発症前から経過を観察することで適切なケアや治療を行うことが可能になります。

2. 詳細な検査を行い超早期に認知症を発見

認知症患者の多くが、中度認知症レベルにまで病気が進行してから「認知症」と診断されています。MCIの段階で適確な検査を行い、発症前から経過を観察することで適切なケアや治療を行うことが可能になります。

診察の流れ

問診・神経心理検査 1.問診・神経心理検査
簡易的なスクリーニング検査、認知機能の経時変化を観察
画像検査 2.画像検査(MRI / CT / SPECT)
海馬の萎縮がないか、脳の形態の変化と脳血流をチェック
血液検査 3.血液検査
他の疾患を原因とする認知機能の低下がないかチェック(高血圧、高血糖、高脂血症など)
診断 4.診断
様々な検査結果を総合的に判断して診断

3. 検査結果に応じて超早期に治療を開始

認知症の原因疾患の治療と現れている症状の緩和・改善を図ります。主に薬の服用による薬物療法と脳を活性化するためのリハビリテーションなどの非薬物療法を行い、中核症状と周辺症状の改善を試みます。

4. 定期的に経過観察を行う

薬物療法の薬の効果は100%ではなく、病気が進行してしまうこともあります。非薬物療法や規則正しい生活を続けていても、やはり認知症という診断を受けた以上は、きちんと定期的に経過観察を行うことが大切です。経過観察をしながら適切な治療を行うことで、認知症の進行を遅らせることができ、病気に対する不安や日常生活への支障を軽減することが可能となります。

 認知症になりにくくするために

1. 認知症になりにくい生活習慣を身につける

食事
• 偏りのないバランスのよい食生活 • ぶどうを積極的に摂る • 青魚を積極的に摂る
コミュニケーション
• 家族や近隣の人との会話を積極的に行う
運動
• 散歩などの軽い有酸素運動をする

2. 脳を活性化する動作を行う

• 簡単な家事など身の回りのことを自分でする • 日記を書いたり、声を出して新聞や本を読む • 簡単な計算やパズルなどに取り組む • 囲碁、将棋など頭を使うゲームを行う

3. 早期受診・早期発見・適確な経過観察

症状が軽い早期の段階で認知症であることに気づき、適切な治療を受けることで、薬物療法・非薬物療法で認知症の進行を遅らせたり症状の改善が見られる場合もあります。早期発見と早期治療、定期的な経過観察によって得られる効果やメリットはたくさんあります。認知症の早期発見と早期治療、適確な経過観察を行うために、「もしかして…」と思ったらまず1人で悩まず身近な医療機関に相談することが大切です。