みなさんこんにちは。
今日は高齢者に意外と多い『起立性低血圧』についてご説明します。
起立性低血圧とは、急に立ち上がった時や、起き上がった時に血圧が低下する事で、軽い意識障害やふらつきなどをおこすことです。
血圧低下の基準としては、
20mmHgを上回る収縮期血圧(上の血圧)低下
10mmHgを上回る拡張期血圧(下の血圧)低下,またはその両方をいいます。
起立性低血圧は立ちあがってから数秒後から数分以内に起こりやすく、転倒のリスクになりますので注意が必要。
クリニックの診察室でも、急いで立ち上がり、ふらっとされる方は結構いらっしゃいますので、立ち上がりの際は注意して拝見する様にしています。
起立性低血圧の症状は、健康な方でも起こりますが、認知症の中では、自律神経の調整に問題が生じやすい『レビー小体型認知症』の方に特に起こり易い症状です。
自律神経は、その場で意識的にコントロール出来ないものなので、普段の生活習慣による対策が大切です。
予防には以下の様な工夫が出来ます。
生活上での4つの工夫
1.ゆっくり起きる、立つ
一見当たり前の事ですが効果があります。寝た状態→座位→立ち上がりと、頭と心臓と足の高低差を少しずつ増やしていく事で、急激な血圧低下によるふらつきを回避する効果があります。
2.ふくらはぎを鍛える
座ったまま、踵上げエクササイズを行います。出来る方は自分の手を膝にのせて抵抗をかけてみましょう。
これは第二の心臓と言われるふくらはぎを鍛えて、姿勢が変わっても血流を維持出来る様にポンプ機能を鍛える意味があります。
3.水分摂取
運動後やお風呂などの水分が不足して脱水になっている時にも起立性低血圧が起こりやすくなります。脱水にならない様、冬でも水分は適宜摂る様にしましょう。
4.ベッドをレンタル
寝ている姿勢でも血圧が極端に低いレビー小体型認知症の方におススメしています。介護保険で電動ベッドをレンタルし、膝を曲げてお休みになる事で、抹消からの血管抵抗が上がり血圧を上げる意味があります。
4以外は起立性低血圧が無い方にとっても大切な事です。実践してみてください。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。