意外と多い?ふらつきの原因 起立性低血圧
2024.12.10
みなさんこんにちは。
今日は高齢者に意外と多い『起立性低血圧』についてご説明します。
起立性低血圧とは、急に立ち上がった時や、起き上がった時に血圧が低下する事で、軽い意識障害やふらつきなどをおこすことです。
血圧低下の基準としては、
20mmHgを上回る収縮期血圧(上の血圧)低下
10mmHgを上回る拡張期血圧(下の血圧)低下,またはその両方をいいます。
起立性低血圧は立ちあがってから数秒後から数分以内に起こりやすく、転倒のリスクになりますので注意が必要。
クリニックの診察室でも、急いで立ち上がり、ふらっとされる方は結構いらっしゃいますので、立ち上がりの際は注意して拝見する様にしています。
起立性低血圧の症状は、健康な方でも起こりますが、認知症の中では、自律神経の調整に問題が生じやすい『レビー小体型認知症』の方に特に起こり易い症状です。
自律神経は、その場で意識的にコントロール出来ないものなので、普段の生活習慣による対策が大切です。
予防には以下の様な工夫が出来ます。
生活上での4つの工夫
1.ゆっくり起きる、立つ
一見当たり前の事ですが効果があります。寝た状態→座位→立ち上がりと、頭と心臓と足の高低差を少しずつ増やしていく事で、急激な血圧低下によるふらつきを回避する効果があります。
2.ふくらはぎを鍛える
座ったまま、踵上げエクササイズを行います。出来る方は自分の手を膝にのせて抵抗をかけてみましょう。
これは第二の心臓と言われるふくらはぎを鍛えて、姿勢が変わっても血流を維持出来る様にポンプ機能を鍛える意味があります。
3.水分摂取
運動後やお風呂などの水分が不足して脱水になっている時にも起立性低血圧が起こりやすくなります。脱水にならない様、冬でも水分は適宜摂る様にしましょう。
4.ベッドをレンタル
寝ている姿勢でも血圧が極端に低いレビー小体型認知症の方におススメしています。介護保険で電動ベッドをレンタルし、膝を曲げてお休みになる事で、抹消からの血管抵抗が上がり血圧を上げる意味があります。
4以外は起立性低血圧が無い方にとっても大切な事です。実践してみてください。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。
医療法人バディ 認知症部門部長
前田 順子(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
2005年から都内の急性期病院に言語聴覚士として勤務。認知症疾患医療センター内での、入院ケア、認知機能検査、認知症カフェの運営等、認知症のある方やご家族のケアに携わった豊富な経験をもつ。
2020年より医療法人バディにて認知症部門立ち上げ。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。ICTを活用した居宅支援「オンライン認知症ケアプラス®」、スターバックスとのコラボによる認知症カフェ「ウェルビーイング☆カフェ鎌倉」等の企画・運営を担当。
医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。