高齢者が、見やすい物と見にくい物
2024.12.17
皆さんこんにちは。
今日は『高齢者の色の見え方』をテーマにお話します。
昔と比べて小さな文字が見にくいという方は多いと思いますが、高齢になると大きさだけで無く色の見え方に変化が出てきます。
目から入る情報が不確かだと転倒等、生活のリスクにも繋がりますので、見え方の特性を知る事は大切です。
では高齢者にとって、何が見易く、何が見にくいのでしょうか?
高齢者が見やすい色と配色
1. 色
鮮やかで濃い色、赤、オレンジ、緑等。加齢による目の水晶体の黄変(おうへん)に影響されにくい為、認識しやすい
2. 配色
白と黒、白と濃緑、青と黄等。明度や彩度のコントラストが大きい配色。コントラストが明確な分、物の輪郭や境界が分かりやすい
高齢者が見にくい色と配色
1.色
青、黄、グレー等。水晶体の黄変により色が変化して見える
2.配色
白と黄、グレーと青等、明度や彩度が近い配色。物と物の境界が分かりにくい
鮮やかさや、背景とのコントラストが見やすさのポイントの様ですね。
では続いて、生活の安全や質を上げる為の色の取り入れ方をご説明します。
生活上での工夫
食器
1.ご飯茶碗は濃い色で白米とコントラストをつける
2.ランチョンマットと食器の色にコントラストをつける
→食器、食材を掴み易くなり取りこぼしを減らせる
トイレ
1.便座カバーは床や便座とコントラストをつける
→正しい位置に座りやすい、トイレ周りを汚しにくい
階段
1. 段差の境界や段差の色を変える
→踏み外し予防
2.壁と手すりの色を変える
→つかみ易い
メモ書き
1.白紙には、黒や赤の筆記具を使う
→読み易い
2.メモをコントラストのあるバインダーに挟む→見つけやすい
探し物
1.バッグの裏地は無地のものを使用し、裏地と鍵や財布の色にコントラストをつける
→探しやすい
この様な工夫が出来ます。
階段で転び易い、食べこぼしが多い、バッグの中の物を探せない等、原因は様々ですが良ければお試しください。
今日お話したような考え方は『カラーユニバーサルデザイン』といい、全ての人が見やすい色として駅や公共施設でも活用されています。
東京都がガイドラインを出していますので更に詳しく知りたい方は検索してみてくださいね。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。
医療法人バディ 認知症部門部長
前田 順子(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
2005年から都内の急性期病院に言語聴覚士として勤務。認知症疾患医療センター内での、入院ケア、認知機能検査、認知症カフェの運営等、認知症のある方やご家族のケアに携わった豊富な経験をもつ。
2020年より医療法人バディにて認知症部門立ち上げ。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。ICTを活用した居宅支援「オンライン認知症ケアプラス®」、スターバックスとのコラボによる認知症カフェ「ウェルビーイング☆カフェ鎌倉」等の企画・運営を担当。
医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。