認知症とサプリメントについて
2025.06.17

今日は認知症に効果のある「サプリメント(以下サプリ)」についてお話します。
今巷では通販番組なども含めて、もの忘れに対するサプリが多く流通していますよね。
実際に手に取ってみた、使ってみた、今現在使っている、という方も多いのではないでしょうか。
そもそも「サプリ」とは何なのでしょう…?
サプリとは、「健康食品に分類される食品で、健康食品もサプリも法律上の定義はなく、健康の維持増進のために利用されるもの」とされています。
サプリの効果に関しては、その報告もありますが、食品であるが故、エビデンスの確立が不明確なものが多くあります。
今回は「日本認知症予防学会」が調査の元、医学的に一定の効果が得られていると報告があったものに関してご紹介いたします。
日本認知症予防学会では「フェルガード」というサプリが最も効果が高いとしており、2017年に同学会で認定されています。
「フェルガード」とは…
フェルラ酸とガーデンアンゼリカという物質の混合サプリです。
フェルラ酸には、抗酸化作用とアルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβの作用を抑える働きがあります。ガーデンアンゼリカという物質は、神経再生を促進する働きがあって、併せて認知機能の改善が促進されるという働きがあります。実際、このサプリは市販では購入できず、医療機関の専売品というところでも信頼度が高いかもしれません。
その他、DHA・EPA、ビタミンEなどのサプリの効果についても述べられているものはありますが、いずれも認知症に直接効果があると示されているわけではありません。
ただし、生活習慣病の原因である動脈硬化の予防などには効果が確認されています。認知症は老化が原因とされていることを考えると、少なからず助けになると考える事もできますね。
繰り返しになりますが、サプリは栄養補助食品の位置付けです。
まずは栄養バランスの取れた食事と、適度な運動で生活習慣病の予防が第一、と言うことになります。心身共に健康で過ごすためにできることを考えながら、必要に応じてサプリの力を借りましょう。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。

医療法人バディ 認知症部門副部長
廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。

医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。