認知症ケア専門士によるコラム

認知症と遺伝 | 認知症ケア専門士によるコラム

作成者: 日本テクトシステムズ株式会社|Jun 2, 2025 3:00:00 PM

今日は「認知症と遺伝」についてお話します。
「親が認知症だったから遺伝するの?」とよく聞かれることがあります。

正解は…「どちらともいえない(可能性は少なからずある)」です。

サブタイプにもよりますが、その多くを占める「アルツハイマー型認知症(以下AD)」や「レビー小体型認知症(以下DLB)」に関しては以下の通りです↓

☆AD
→「家族型」と「孤発型」に分かれ、約90%が孤発型。孤発型は遺伝とは関係がありません。一方「家族性AD」の診断を受けた方がいらっしゃる場合は、その確率は50%。ただし、両者を判断するような詳細な検査を受けられている方は少ないため、判断が難しいというのが実際のところです。一つポイントとして、「家族性」の場合は通常より20歳ほど若く発症するケースが報告されています。

☆DLB
→そのほとんどが孤発性のため、遺伝は稀と考えられています
先述の通り、「認知症」の発症は遺伝的な要素はそれほど多くないことがご理解いただけたかと思います(その他の遺伝的なご病気で誘発されることはありますが)。

では、他に注意すべきはどこにあるのか??
脳の変化が原因で引き起こされる「認知症」は脳の血流も大きく関与していると考えられています。

✔︎生活習慣病 ✔︎心疾患
✔︎高コレステロール
✔︎動脈硬化 ✔︎喫煙
✔︎過剰な飲酒 ✔︎加齢
✔︎肥満 など…

こういったご病気は、認知症だけでなく、さまざまなご病気を誘発します。
また、喫煙に関しては、非喫煙者に対しリスクが2.3倍になるという報告もありますので、禁煙はとても大切ですね!

遺伝に関して、それでもやはり心配!
ということであれば、発症リスクを知るためのAPOE遺伝子検査を受けることができます。簡単な採血で検査が可能ですが、保険適応外のため自費になります。当院ではお受けしておりませんが、APOE遺伝子検査で検索して頂くと、適応の病院が見つかると思いますのでチェックしてみてくださいね。



 

 

 

■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。