みなさん、こんにちは。
今日は 介護保険認定調査 についてお話しします。
介護保険のサービスを受けるためには、申請を行い介護等級を受ける必要があります。 その等級を決める指標のひとつが 介護保険認定調査 です。
介護保険認定調査では、調査員が自宅や施設など、当事者がいる場所へ訪問し、日常生活の動作や介護の必要性を確認します。
通常、調査員は市区町村の介護保険課や地域包括支援センターから派遣されるため、医療機関と調査員が直接連絡を取ることはありません。 そのため、当日の面談内容が重視されます。
認知症の人の場合、その症状に対するご本人の自覚が乏しい ことがあり、その場での会話や動作が非常にスムーズで「介護の必要なし」と判断されることもしばしばあります。
介護保険の等級が適切に認定されず、実情とかけ離れた結果 となる場合があるため、生活実態に即した結果を得るために、調査員に正しく状況を伝えるポイント をご紹介します。
先ほどお伝えした通り、調査では 事実を伝えることが重要です。 ご家族の中でも 主たる介護者 など、必ず生活状況のわかる方が同席しましょう。 (同席が難しい場合は メモを準備しておくのもよいでしょう。)
認定調査では「できる?」「できない?」と 二択 で質問されることがありますが、調査書には 段階的 に記載されます。 できることもあるが不完全であったり、行っているが、以前と明らかに質的に異なることについても、具体的に伝えることが大切です。
例えば、
「薬は飲むけど、飲み忘れがある」
「買い物には行くけど、同じものばかり購入する」
「お金は払うけれど、小銭が払えない」
「洋服は着られるが、同じ服ばかり選ぶ」
こうした情報により、生活の変化を正しく理解してもらいやすくなります。
認知症の原因疾患によっては、症状の波がある場合もあります。
特に レビー小体型認知症 では、症状の変動が特徴的です。面談の日に調子がよくても、日による変化は伝えましょう。
例えば、
「時々、血圧が下がってふらつく」
「時々まとまって失禁が続く」
「落ち着かないことがある」
「夕方になると攻撃的になる」
「妻にだけ暴言を吐く」
等、日差、時間差、人による差も認知症による変化と認識されます。
認定調査では 調査員・ご本人・ご家族 それぞれに面談が行われることが一般的ですが、場合によっては一緒に面談を行う場合もあります。 ご本人の前では 話しづらいことがある場合、メモにまとめて渡すのも有効です。
(メモを残しておくことで 介護保険サービスを組む際の有益な情報にもなります。)
面談では 認知症のことに集中しがちですが、介護保険は認知症に特化した制度ではありません。 調査員は複数の項目について質問してくださいますので、その他の疾患についても伝えましょう。
例えば、
「元々片耳が聞こえない」
「前立腺がんの後遺症で、排尿のコントロールが難しい」
「圧迫骨折による慢性的な痛みがある」
このように過去の病気が 生活上に影響していることも認定調査で重要な情報となります。
最近では、インターネットで 介護保険の等級を事前にシミュレーション できるサイトもあります。
(「介護保険」「要介護認定」「シミュレーション」などのキーワードで検索してみてください。)
適切な認定を受けられるよう参考になれば幸いです。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。