今日は、介護保険を利用した通所サービスの利用タイミングについて考えてみます。
介護保険のサービスを受けるには、お住まいの自治体で申請を行い、「要支援1〜要介護5」の等級が認定される必要があります。認定を受けると、通常1割負担(所得が高い高齢者は2割または3割負担)でサービスを受けることができ、その内容は通所、訪問、物品レンタルなど多岐にわたります。その中でも「ご自宅から日帰りで通う送迎付きのプログラム」が通所サービスです。
通所サービスには、主に2つの種類があります。
日常生活全般の支援→デイサービス
心身機能の支援 →デイケア
とまとめられます。
認知症と診断された際、通所サービスを始めるべきかどうかは個人によります。
例えば、同じ初期の認知症の方でも、その原因疾患により生活における困りごとが異なりますし、日々の過ごし方やご性格、介護のマンパワー、ご家族関係なども異なります。「認知症だから一律にデイに行く」のではなく、現在の困りごとを解決・改善する方法の一つとして通所サービスがあると考えましょう。
次に、それぞれの通所サービス利用の開始となる目安について例を挙げます。
デイサービス:
デイケア:
これらの条件を目安に選択していただいても良いと思います。但し、周囲が勧めた場所に対しご本人が拒否されることは多くあります。そのような場合、無理に説得することは推奨されません。
周りから見て、その場所がその方にあっていると判断できる場合は、同じデイサービスの異なる曜日に参加してみたり(参加者の年齢層や雰囲気がかわる為)、類似するサービスを提供してくれる他の場所を探されると良いでしょう。
長く通う場所ですので、主治医やケアマネジャーさんと相談しながら、焦らずに現状に合った場所を探されるのがよいかと思います。
おわりに、通所サービスは集団のサービスです。多くの人が取り組める一般的な内容が中心で、どんな方でも安全に利用できるように設計されているため、時に「できることまで、カバーしてくださる」こともあります。それらが当たり前にならないように、ご自宅では、引き続きできることを行って頂くという視点を忘れずに、ご利用いただくのが良いかと思います。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。