こんにちは。本日はレビー小体型認知症(DLB)の嗅覚障害についてお話します。臨床場面などでご質問いただくこともあるのですが、実際にご相談いただいた内容に即してお伝えしていこうと思います。
『家族に、寝言や叫びがあり、レビー小体型認知症の疑いがあります。手足のバタつきがあるかを観察中です。以前、レビー小体型認知症には「嗅覚症状」が現れやすいと書かれておりました。匂いを感じにくいのか、匂いに敏感になるのかどちらなのでしょうか?』
レビー小体型認知症による嗅覚症状は、
「においを感じにくくなる」が正解です!
この嗅覚障害は、認知症状に先行して現れると言われており、潜在的なレビー小体型認知症を示唆する指標としても考えられています。この嗅覚障害は、レビー小体という異常タンパクが、脳の嗅神経を司る部分に沈着してしまう事で起こります。においを感じにくくなることから、進行していくと「嗅覚脱失」という状態になり、においを全く感じなくなることもあります。
においを感じにくくなることで起こる弊害としては
等が挙げられます。
食品の彩りを工夫する、ガスを利用するときは人がいる時に、といった対策を取っていただくことも大切かと思います。
また、疾患は異なりますが、アルツハイマー型認知症やMCIの方でも嗅覚障害を感じられる方が一定数いらっしゃいます。鳥取大学の研究では、アロマテラピーが効果的であるという論文を出しています。レビー小体型について特化して書かれているものではありませんが、 アロマセラピー(昼用としてローズマリー・カンファーとレモン、夜用として真正ラベンダーとスイートオレンジ)を用いることにより、アルツハイマー型認知症の嗅覚機能と認知機能に改善効果が認められたという事でした。レビー小体型認知症に対する効果はここでは謳われてはいませんが、ご紹介させていただきます。本日もお読みいただきありがとうございました。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。