今日は非典型的なアルツハイマー病の一種である「PCA(後部皮質萎縮症)」についてご説明します。
PCAとは、“Posterior Cortical Atrophy”の略で、日本語では「後部皮質萎縮症」と呼ばれています。脳の後頭葉から頭頂葉にかけての領域が萎縮することで起こる認知症の一種で、多くの場合、その原因はアルツハイマー病と同じ病理ですが、症状が異なる事が特徴です。
平均発症年齢は59歳前後と、一般的なアルツハイマー病よりも若い世代に多く、女性にやや多い傾向があるといわれています。記憶障害は初期には目立たず、視覚や空間認知の問題が中心となります。進行すると、典型的なアルツハイマー病と同様に記憶障害や日常生活の困難が加わります。
これらの症状は最初、「見えにくい」と訴えられることが多く、初期には記憶障害が目立たない事も多いため、認知症ではなく「目の病気」と誤解されることも少なくありません。
脳のMRIやPET検査で後頭葉・頭頂葉の萎縮や低代謝を確認されること、また認知機能検査の結果を元に診断されます。治療はアルツハイマー病と同様に、ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬により進行を遅らせるための薬物治療やリハビリ、環境調整が中心となります。
PCAの症状を理解する事は難しいですが、まずは、「物の見え方が変化している」ことを理解し、専門職と相談しながら、ご本人ができるだけ安全に、出来る事を維持できるような環境を整える事が大切です。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。