転倒しやすい場所と環境作り

2025.01.21

みなさんこんにちは。
今日は「転倒」について考えます。
特に高齢者の皆さんは、転ばない様に普段から注意をされている方が多いと思いますが、私たちが転びやすい場所には、ある程度傾向があるのをご存じでしょうか?

傾向と対策について整理をしてお伝えしたいと思います。


●転倒し易い場所5つの場所

1.    ベッド周辺 
転倒・転落事故の6割以上がベッド周辺という報告もあるほどです。筋力の低下した状態でベッドから急に起き上がろうとしてよろけたり、起き上がった際に血圧が低下してふらついたり、寝起きでぼんやりとしていて、荷物やコード類に躓いて転ぶ事もあります。

2.    トイレ周辺 
高齢になると夜中に何度かトイレにいかれる方も多いですが、ぼんやりとした状態で暗い廊下を歩く際や、トイレ内の狭い空間での下着の上げ下げなど、重心移動を伴う動きでバランスを崩し転ぶことがあります。

3.    玄関 
トイレと同様、靴の着脱時に重心移動を伴う動作でバランスを崩したり、リュックやゴミ袋等の大きな荷物を持つ事でバランスを崩しやすいと言えます。

4.    階段
ステップの高さだけでなく、階段の模様を段差と見間違えたり、石段の様な不規則な形状で足をひねったりする事が転倒の原因になります。

5.    車周辺 
乗り降りの際は注意をされている方が多いですが、目的に向かって駐車場内を歩く時に、車止めや段差に躓いて転倒されるケースが多くあります。


認知症のタイプ別でいうと、レビー小体型認知症(特にパーキンソン症状を伴う)や、パーキンソン病による認知症、脳血管性認知症の方等が、ご病気の特性からも転倒に注意が必要ですが、認知症が無い方でも、コロナや猛暑で長く運動不足が続いている方は転倒のリスクが高い状態にあります。


次にこれらを踏まえ、ご自宅内で出来る環境対策についてまとめます。

ベッド周辺
床に物を置かない、コードは動線の邪魔にならない位置に移動する、立ち上がり用の手すりを設置する、ベッドを低くする  

トイレ周辺
センサーライトを設置する、トイレ内に手すりを設置する、予備のトイレットペーパーはホルダー近くに置いておく、夜間のみベッド横にポータブルトイレを使用する(トイレまでの距離が遠い場合)

玄関
手すりをつける、上がりかまちが高い場合は間に一段ステップを作る、 マットの角が足に引っかかる場合は、大きなマットやシートに変える

階段 
手すりをつける。滑り止めシート、段差がはっきりわかるシールを貼あり、段差を明確にする 


転倒の理由は、筋力の低下のみならず、覚醒、注意、血圧、体の深部の感覚、視力、視空間認知等、さまざまな要素が関連します。体力作りと同じくらい環境作りは大切。良ければ参考にしてくださいね。

 

 

■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。

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医療法人バディ 認知症部門部長
前田 順子(言語聴覚士・認知症ケア専門士)

2005年から都内の急性期病院に言語聴覚士として勤務。認知症疾患医療センター内での、入院ケア、認知機能検査、認知症カフェの運営等、認知症のある方やご家族のケアに携わった豊富な経験をもつ。

2020年より医療法人バディにて認知症部門立ち上げ。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。ICTを活用した居宅支援「オンライン認知症ケアプラス®」、スターバックスとのコラボによる認知症カフェ「ウェルビーイングカフェ鎌倉」等の企画・運営を担当。

バディ

医療法人バディ https://buddymedical.jp/

2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。