認知症介護者の睡眠
2025.01.07
皆様こんにちは。
本日は介護者側の睡眠についてお話しします。
最近発表された、お隣韓国のデータですが、非常に興味深いものですので共有させていただきます。
『2018年8〜10月の韓国疾病管理庁の調査で、認知症患者と一緒に暮らす患者家族の半分近くが、睡眠障害で苦しんでいることがわかった』との調査報告がありました。 これは家庭内認知症患者の有無による睡眠障害発生リスクを分析したもので、同居する人の睡眠障害の危険性は、認知症患者がいない人の1.4倍だったとされています。 医療も日進月歩、様々な疾病に対して研究は進んでおります。しかしながら、認知症はその病気の特性上、進行性、非可逆性を持つ疾患であり、その他のご病気に比して介護が長期間にわたると言われています。1日の介護時間も平均12.2時間と比較的長時間に渡ります。これは同居、非同居に関わらずです。
ケアや評価の際、ご本人やご家族に
「出来るだけ生活リズムは崩さないでくださいね。」
「太陽の出ている時は起きて活動しましょう」 とお伝えする事が多いのですが、適度なお昼寝はこういった睡眠負債への改善につながります。 ただしそのお昼寝の仕方には要注意です !
✓昼寝は午後の3時まで
✓10〜20分の短時間睡眠
67歳以上では『13-14時までの間に30分昼寝をとると、夜間の中途覚醒が減少する』という報告もあります。患者様の健康・安定には、介護者側の心身の健康が大切です。日々頑張っている皆様、ご自愛くださいね。
今日のまとめ
✓介護者側こそ休みが必要
✓日中の活動推奨
✓適度なお昼寝は睡眠負債の改善
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。
医療法人バディ 認知症部門副部長
廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。
医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。