携帯電話と認知症
2026.03.31
本日は「携帯電話と認知症」についてのお話です。
✅同じ人に何度も電話をかけている
✅電話はできるけれどメールやLINEが難しくなってきた
✅気づけばいつも充電が切れている
そんな場面に出会ったことはありませんか?
その“ちょっとした違和感”は、もしかするとご病気によって、少しずつ携帯電話の操作が難しくなっているサインかもしれません。
「今、どのような使い方ならできるのか」を考えていこうと思います。
~初期~
・携帯電話の使用頻度が減っている
・操作に時間がかかり大変そう…
・携帯電話を紛失することがある
・リマインドを増やしすぎて、かえって混乱している
こうした様子が見られると「操作が簡単な機種に変えたほうがいいのでは?」と考えるご家族も多いかもしれません。
しかし、機種変更により画面の配置や操作方法が変わるだけで、これまでできていたことが一気に難しくなってしまうことが…。慣れた操作を継続することが安心につながります。
対応策
1.ホーム画面をできるだけシンプルにする(不要なアプリは整理)
2.機種変更はできるだけ避け、使い慣れた端末を活用する
3.操作方法をメモにして、スマホケースなど目に入りやすい場所に貼る
4.画面ロックやパスコードは、ご家族と相談のうえ簡素に(ロックを外す、番号を共有するなど)
5. 紛失対策には家族と位置情報の共有、首からかけるストラップ等を利用する
~中期~
・かけたい相手に電話ができず、誤って別の人にかけてしまう
・充電を忘れてしまい連絡が取れない
・知らない番号に出てうっかり出てしまい、結果詐欺電話に繋がってしまった
・LINEは既読になるが返信が難しい
病気により判断力や注意力が低下することで、適切な判断が難しくなることがあります。つまり、この時期は「トラブル予防」がとても大切です。
対応策
1.連絡先を整理し、やり取りする相手を限定する
2.迷惑電話ブロック機能を活用する
3.充電は、ご家族やヘルパー等周囲の人が定期的に確認する
4.文字のやり取りよりも、通話など音声での連絡を中心にする
~後期~
・電話が鳴っても出られない
・操作方法がわからない
・トラブルが起きても適切に対応できない
この時期は、携帯電話を「連絡ツール」としてではなく、「見守りツール」として活用する視点も大切です。
対応策
1.見守り機能付き端末への切り替え
2.携帯電話を無理に持たせず、GPS機器や位置情報タグの活用を検討する
後期になると、お一人で外出する頻度は減るかもしれませんが、行動が活発な場合は、靴に装着できるGPSやタグ型の機器などを活用する方法もあります。タグ型の機器は、現在靴の中敷きとして売り出されているものもありますのでご検討ください。
最後に
昔のように操作ができなくなると、「もう解約したほうがいいのでは」と思うこともあるかもしれません。しかし現代において携帯電話は、社会とのつながりであり、安心を支える道具でもあります。
何事においてもケアにおいて大切な視点は、「今できることをどう維持し、状況に応じて対応するか」になります。
その視点で、いまの使い方を見直してみることも、ひとつの支え方かもしれません。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。
医療法人バディ 認知症部門副部長
廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。
医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。
