認知症と通販トラブル

2026.01.13

今日は、「認知症と通販トラブル」についてお話しさせていただきます。


  • 通販の定期申し込みをしていて、ものが溜まっていく
  • 通販で頼んでいる事をすっかり忘れている
  • 通販の督促状が難通貨きていた …など、ご相談いただくことがあります。

認知症と通販トラブルに関しての客観的な数値は出されていないのですが、消費者庁のまとめでは、認知症等の高齢者に関する消費生活相談は近年「8,000件台」で推移していると明記されています。そして、その相談は基本的にはご家族や代理人からのものが多いことが特徴です。また、年度や定義によっては変動しますが、国民生活センターなどの報告でも、認知症などを理由に判断能力が不十分な高齢者の相談は年に数千〜1万件規模と報告されています。


今日は、そんな通販トラブルに関して、その理由と対策方法を考えて行きたいと思います。


 


通販を頼んでしまう理由

特に高齢者が通販を好む理由としては、以下が挙げられます。


  • 外出が難しくなる
  • 通販の演出が魅力的
  • 判断力や抑制力の低下
  • 孤独感や退屈感を紛らわす
  • 定期購入や健康サプリなどの健康志向

つまり、通販は、高齢者にとって「便利な買い物手段」ということに留まらず、「娯楽・交流・安心感」の役割も果たしていると考えられます。上記以外に、通販番組の流れる時間に関しても一部の研究では相関があるといわれています。高齢者の活動時間に通販番組を放送し(高齢者は午前中の視聴が多いよう)、「今だけ」「期間限定」などのワードを用いて興味をさらに引く戦法も取られているようです。
 
さらに、早朝や深夜に放送されている通販番組での購入も、実は要注意!


眠れずにTVをつけたら…ついつい買ってしまっていた!高齢者に限ったことではありませんが、深夜疲れている時間帯や早朝静かな環境では、判断力が鈍りやすく、購買行動に結びつきやすいと考えられます。これは年齢に関係なくとてもリスキーですね。


また、昔から通販番組がお好きだった場合は、通販での購入が手続き的に記憶されていることが多く、通販に対するハードルが低くなるため、お気を付けください。

 


 

トラブルを回避するためにできること

1.環境調整

簡単に言えば、可能な限り日中TVに依存しない環境を作ること。散歩をする、デイサービスや地域の集まりに参加する等、外出機会を設け、TVから離れる時間を作りましょう。


定期的に送られてくるカタログは早めに本人の目の届かないところに移す、業者に郵送停止を依頼する等も検討しましょう。

 

 
2.支払・注文方法の検討

高齢者の多くは支払いを代引きや振り込みにされますが、クレジットカードを使われている場合は、明細はしっかりと確認しましょう。また、督促状の有無の確認も大切です。電話注文の場合は、着信番号を迷惑電話に設定することも有効です。


 

3.通販会社に事前に連絡

頻繁に利用する通販会社に連絡をして、事情を説明しましょう。通販会社に家族の連絡先を登録し、注文時、家族にも連絡が入るよう依頼することも可能です。


継続購入や高額商品は「成年後見制度」や「取り消し権」で解除できることがありますので、諦めずに対応下さいね。

 

トラブルを未然に防ぐことが第一ですが、消費生活センター(188番)でも相談ができますので、覚えておくと安心です。

■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。

廣島先生

医療法人バディ 認知症部門副部長 

廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)

都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。

バディ

医療法人バディ https://buddymedical.jp/

2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。