認知症タイプ別 排せつケア
2026.01.20
今日は、冬の時期に気になる排せつの問題についてお話ししたいと思います。
排せつにまつわる問題は、認知症のタイプにより、起こる時期やその特徴も異なります。
まずは、それぞれの特徴を知って、ケアのポイントを整理しましょう
認知症のタイプ別の特徴
◆ アルツハイマー型認知症(AD)
初期では失禁は目立ちませんが、「外出前にトイレへ行くのを忘れる」「ショッピングモールでトイレから戻ってこられない」等、遂行機能や記憶障害による影響が見られることはあります。認知症が進行すると、自宅内でトイレが見つけられない、トイレ内で服の着脱や機械操作が難しくなることがあります。
💡ケアのポイント💡
まずは、外出前後での声掛け、公共スペースなど広い場所ではトイレ近くで待つ等配慮します。症状が進行して自宅内でトイレに迷う時は、トイレにマークをつけたり、人感センターの明かりで誘導する等の工夫が有効です。多少の失禁が疑われる時は、吸水性下着や、パット等準備しますが、ご本人が使用に消極的な場合は、トイレにさり気なくセットして置いておくと使って頂けることもあります。
◆ 血管性認知症(VaD)
脳の血管障害により排尿をコントロールする中枢に脳梗塞がおこると、比較的初期から過活動膀胱による頻尿や失禁などがみられることがあります。また、運動麻痺による歩行障害でトイレに間に合わず、失禁することもあります。
💡ケアのポイント💡
定期的なトイレ誘導を行い、失禁が見られる際は、リハビリパンツ等ご本人が操作しやすい形のものから導入します。自宅内では、速やかに移動できるよう、トイレまでの手すりや夜間の人感センサーも有効です。夜間の移動に不安がある方は、夜のみポータブルトイレを使用しても良いでしょう。
◆レビー小体型認知症(DLB)
自律神経の働きが乱れやすく、初期から頻尿が強い日・便秘が続く日などの波がみられることがあります。起立性低血圧により、便座からの立ち上がりでふらつきを認めたり、パーキンソン症状を伴う方は、トイレまでの移動やトイレ内の狭い場所でバランスを崩して転倒する等のリスクがあります。
💡ケアのポイント💡
調子が悪い時に合わせて、吸水性下着、パット、薄手のリハビリパンツ等を準備しておきます。立ち上がりの際にふらつく場合は、夜間時に備えてベッド周りや、トイレの便座横に、ポータブルで手すりを設置することもおすすめです。幻覚などを伴う方は、暗い場所で見間違いを起こしやすいので、人感センサーなどで、トイレまでの動線を明るくする事も大切です。また便秘対策としては、水溶性食物繊維を含む食事を摂取したり、便秘が続く時は医師にご相談頂き、便秘薬等で対応することも一案です。
認知症のタイプ別の特徴を知ることで、介護者は必要なケアに注力することができます。
是非参考にしてみてくださいね。
■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。
医療法人バディ 認知症部門部長
前田 順子(言語聴覚士・認知症ケア専門士)
2005年から都内の急性期病院に言語聴覚士として勤務。認知症疾患医療センター内での、入院ケア、認知機能検査、認知症カフェの運営等、認知症のある方やご家族のケアに携わった豊富な経験をもつ。
2020年より医療法人バディにて認知症部門立ち上げ。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。ICTを活用した居宅支援「オンライン認知症ケアプラス®」、スターバックスとのコラボによる認知症カフェ「ウェルビーイング☆カフェ鎌倉」等の企画・運営を担当。
医療法人バディ https://buddymedical.jp/
2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。
