認知症を持つ方との旅行について

2026.03.17

 

 

皆様、お読みいただきありがとうございます。本日は、認知症を持つ方と旅行へ行く場合の留意点を一緒に考えてみたいと思います。

長期のお休みに旅行に出かける予定がある方も多いと思います。このコラムをお読みの方の中には、認知症を持つ方と一緒に旅行をしたことがある方、これからしようと思っている方もいらっしゃると思います。

今日は、「旅行前」と「旅行中」の2点に分けて整理していこうと思います。

 

 

~旅行前~

★旅行先、同行者、移動手段の明確化

旅行の準備は、認知症の有無に関わらず大変なものですよね。以前は楽しかった準備も、最近は少し億劫に感じることがあるかもしれません。

「旅のしおり」まで作る必要はありませんが…

 ✅旅先

 ✅移動手段

 ✅同行者

この3点は、できるだけわかりやすくしておきましょう。

文字や言葉だけでは伝わりにくい場合もあるため、ホテルや旅館のパンフレットや観光地の写真を一緒に見ながら説明することもおすすめです。移動中の休憩場所も事前に考えておけるとより安心です。

 

★荷物は最小限に。同行者と区別できる工夫を

寝巻や着替え、下着類等は1日分ずつまとめてパッキングをするとわかりやすくなります。

大きめのジップロック等を使い、中身が見えるようにするのも良い方法です。

また、同行者の荷物と混ざらないように、袋や色を分ける工夫も役立ちます♪

 

★旅先の選定

スケジュールはできるだけ無理のないように心がけましょう。

長期間の旅行は、精神的・身体的な疲れに繋がりやすいため、1〜2泊程度がお勧めです。

もし気に入っている旅行先があれば、新しい場所にこだわらず、慣れ親しんだ場所を選ぶのも良いです。同じ宿や、可能であれば前回と同じ部屋を手配できると、非日常を楽しみながらも不安が軽減されます。

 

 

~旅行中~

★身の周りのものに名前を記入 連絡先も身につけましょう

財布、靴、洋服のタグなどに名前を記入しておきましょう。GPSやエアタグ、見守りシール等の利用も検討すると安心です。

普段と異なる環境では、思わぬ混乱が生じることもあります。基本的には一緒に行動しつつ、念のための備えをしておきましょう。

 

★生活リズムはできるだけ普段通りに

食事や睡眠の時間が大きくずれると混乱につながることがあります。可能な範囲で、日常生活のリズムに近づけることを意識しましょう。

 

★予定変更も大切な選択肢

疲れがみられる場合は、予定通りに進めることよりも「休息」を優先してみてください。

ゆとりある旅も素敵な思い出になります♡

 

★大浴場の利用は同性同伴で

難しい場合は家族風呂の利用も検討しましょう。待ち合わせの行き違いや、着替えの間違い、靴やスリッパなどの履き違いを防ぎ、安心して過ごすことに繋がります。



 

ちなみに…ホテルや旅館の居室内トイレで迷われたことがある方、いらっしゃいませんか?

そんな時はトイレの入り口にぜひ目印をつけてみてください。色の目立つもの、持ち運びが可能なマスコット等、目印になりそうなものであれば何でもOKです。その目印がトイレのしるしになります。

自宅でもトイレの入り口に目印をつけておいて、普段から「この目印=トイレ」となれば初めての場所でも迷いが軽減します。少し大きめのマスコットキーホルダーだと持ち運び可能で、旅先でもお使いいただけます。ご検討ください♪

 

 

旅行は本来楽しむためのもの!旅行中の無理は、その後の体調や認知症状に影響することも。「すべてを完璧にこなすこと」より、「不安なく過ごせた時間があったかどうか」を大切にしてみてください。

 

 

 

 

■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。

廣島先生

医療法人バディ 認知症部門副部長 

廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)

都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。

バディ

医療法人バディ https://buddymedical.jp/

2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。