適切なショートステイの選び方

2025.11.25

皆様ショートステイをご存じですか?また、利用されたことはありますか?

 

家族の用事や休息に対してのご利用だけでなく、暑い時期、適切なエアコンの利用が難しい、水分摂取がうまくいかないなどの理由から利用される方が、実は多いのです!

 

ですが、今利用されているショートステイは、ご本人のニーズに合っていますか?継続的に利用したいにも関わらず、難しく感じられている方はいらっしゃいませんか?本日はショートステイの選定についてお話します。

 

 

ショートステイとは?

 

ショートステイとは、短期間(最長1回30日間)施設に入居し、介護・支援が受けられるサービスです。

 

冠婚葬祭、介護者側の体調不良、休息(レスパイト)などの目的での利用が可能です。

 

 

ショートステイの種類

ショートステイには種類があり、介護保険下で利用できる施設と、介護保険を取得されていない場合でも保険外で利用できる施設があります。

 

介護保険下で利用できるものは、以下の2つに分類されます。

  • 短期入所生活介護(一般型ショートステイ):入浴、食事、身体介護に加え、レクレーション、機能改善など。デイサービスに近い印象。
  • 短期入所療養介護(医療型ショートステイ):上記+医療ケア

(ショートステイ施設は、特別養護老人ホームや一般の有料老人ホーム、介護老人保健施設など)

 

 

どのショートステイを選ぶ?

気管切開、胃ろうなどの医療行為が必要な場合は、医療型ショートステイの利用が必須になりますが、それ以外の方であれば、利用条件に合った場所を選ぶとよいでしょう。

 

「初めての施設で混乱したのか、施設から落ち着かないと連絡が来て、結局迎えに行くことになった」というご相談を受けます。

 

認知症の方には、付随する症状の一つとして、環境変化に弱く、不安が強くなりやすいという特徴があります。ショートステイや長期入所のみを扱っている施設であれば、顔見知りのスタッフもおらず、初めての宿泊施設で混乱がみられるのも納得です。

 

もし、上記のような理由でショートステイの利用がうまくいかなかった場合は、「どんな時(時間)に症状が強くなるのか」「その時は何をしていたのか?」などを確認してみてください。その部分が改善できれば、同じ施設の利用でもうまくいく場合があります。

 

ですが、もっとスムーズに・・・デイと同じ流れでショートステイを利用したい!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

そのような方にお勧めなのが、「小規模多機能型」のショートステイです。小規模多機能とは、いわゆる地域密着型の施設で、デイサービス、訪問・入所サービスなどを一つの事業所が担っています。普段同じ施設のデイサービスに通いながら、必要に応じて同施設のショートステイを利用する。顔見知りのスタッフや既知感のある場所の利用で、混乱なくスムーズなサービス利用に至りやすいことが期待されます。

 

サービスは、生活環境や疾患の特徴に合わせて内容が変化します。状況に応じて見直しは図られますが、当初より、今後推測される様々な変化を考えながらサービスを選択できるとスムーズかもしれませんね。ただし、人によって、画一的なサービスを利用することがマイナスになることもありますので、来院の際にご相談ください。

 

今後も、我々だからこそできる、先を見通したケアについて情報提供できるよう、頑張ります。本日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

■執筆者情報
この記事は、医療法人バディ公式LINE「ケアコミ」の内容を引用しております。

廣島先生

医療法人バディ 認知症部門副部長 

廣島真柄(言語聴覚士・認知症ケア専門士)

都内の総合病院に言語聴覚士として15年以上勤務。主に急性期病院で脳卒中、神経難病の患者のリハビリを担当しながら、認知症疾患医療センターでもの忘れ外来の検査や入院患者の認知症ケアを担当。2021年に医療法人バディに入職。コミュニケーションを主軸とした認知症の非薬物療法に取り組む。

バディ

医療法人バディ https://buddymedical.jp/

2019年設立。横浜市、鎌倉市に3つの脳外科クリニックと認知症部門を展開。2023年より、居宅介護支援事業、訪問リハビリ。2024年より訪問看護部門を開設。